宝物の洋服を着続けられるように
真心込めて一つ一つの洋服と
向き合う
PROFILE
細貝 海登
1995年生まれ。新潟市出身。
杉野服飾大学卒業。アメリカへ行く資金を貯めるためバイト生活をしていたところ、S.H.Sを運営するツールボックスから洋服直しの新事業に誘われる。
2018年同社入社。
人生年表
- 1995年
- 誕生
- 2013年
- 杉野服飾大学入学
- 2017年
- 同大学卒業
- 2018年
- ㈱ツールボックス入社
洋服直しCORE
新潟市中央区鳥屋野潟にある家具店S.H.S内にある、洋服直しのお店。リペアデザイナーとして破れやほつれの直しからカスタムまで、さまざまな要望に応えている。
ワークスペースには直しを待つ洋服がぎっしり。現在は細貝さんを含め3人でお客さまの要望に応えている
軽い気持ちで引き受けた「洋服直し屋」
始めてみたらとにかく面白かった!
高校・大学の頃の夢は?
子どもの時からものづくりがものすごく好きだったんです。高校の頃から洋服にはまって古着屋さんに通っていて、「それなら洋服を作ろう」と思って服飾大学に進みました。アメリカのデザイナーが好きだったので、卒業後はアメリカに行って、ブランドの門を片っ端から叩こうと思っていました。渡米費用を貯めるために、新潟に帰ってきたという感じです。
洋服直しCOREに入ったきっかけは?
新潟でバイトをしていた時に、知り合いの古着屋さんにS・H・Sの社長と会長を紹介されて、「洋服の直し屋をやらないか」と誘われました。S・H・Sは家具を売るだけでなく、修理もしていることから、新しく古着屋が入るタイミングで、服を直すお店も出すことにしたそうです。お二人が信頼できる人だと思ったのと、将来自分の役にも立ちそうだな、という感覚で引き受けたのですが、やってみたらすごく面白くて、今6年目です。
お客さまは宝物の洋服を預けてくれる
その思いをくんで直すことを大切に
仕事の魅力は?
一番はお客さまが喜んでくれることです。お客さまは自分の宝物を預けてくれるんですよね。以前、40歳の女性から、初めての給料で買った海外ブランドの思い出のコートを直してほしいという依頼があって。擦れて傷んでいたんですけど、完璧に直したら、ものすごく喜んでくれて、その様子を見て僕も本当にうれしかった。お客さまの服に対する思いを聞くと、自分も燃えてくるというか、頑張ろうという気持ちが湧いてきます。
これからの目標は?
オリジナルの洋服を作って売っていくことにも力を入れたいです。「直し屋が作る洋服」は説得力があると思うんです。丈夫に作るし、直せるし、体型が変わったらサイズを変えられるし、飽きたらカスタムもできる。気に入った服をずっと着られるというのが、いいんじゃないかなと思います。
服飾大学時代の友人からも
「面白そうだね」と言われる仕事
新潟に帰ってきて感じることは?
大学進学で上京した時に「親と離れて暮らしていると、この先、数えられるくらいの回数しか会えない」という話を聞いて、それは嫌だなと思ったんですよね。あと「ばあちゃんのご飯食べたいな」って思うことがよくあって。今は両親にいつでも会えるし、ばあちゃんにも「ごはん作って」ってすぐ言える。あと、新潟は温泉がたくさんあるのもいいですね。
「洋服の直し屋」は、全国を見ても同じような仕事をしている人は少ないように思います。大学時代の友人もみんな「面白そうな仕事だね」と言ってくれる。人と同じことはやりたくないタイプなので、こういう仕事に巡り会えたのはよかった。新潟でこんなことができるんだ、と思います